企業が提供するサービスや製品には、多くのノウハウが詰まっているものです。
このノウハウが他社製品やサービスとの差別化につながり、市場における競争力につながるわけです。
ノウハウは、通常は目に見えないものですが、このうち法律上の権利として保護されるものは、知的財産権と呼ばれています。
知的財産権には、特許権・意匠権・実用新案権・商標権・著作権などがあります。
今回は、企業における知的財産権の重要性について改めてまとめます。
知的財産権はなぜ重要なのか
知的財産権はなぜ必要なのでしょうか。
もしこれらがない場合、競合他社は、貴社の製品やサービスを見て同じような製品やサービスを開発して、簡単に参入してきます。
その商品やサービスが魅力的であればあるほど起こりうるものです。
こうなってしまうと、各社は商品やサービスの質で差をつけることが難しく、価格競争を誘発することになります。そうすると、市場シェアと利益が急速に下がって行ってしまいます。
一方で、貴社の製品やサービスに含まれている知的財産が知的財産権によって、防衛・管理されている場合は、他社は同じような製品やサービスを開発することは困難であり、なかなか参入することができません。
そうすると、貴社は、市場での優位性を確保することが可能です。また、価格競争が起こりにくいので、利益を確保しやすくなります。
つまり、知的財産権は、自社の事業活動範囲を規定する「杭」の役割を果たしているのです。
ビジネスにおいての知的財産権の重要性
大きく分けて4つ挙げられます。
前述しましたように、市場での優位性を確保しながら有利な事業展開が可能です。
他社も使いたいと思うような魅力的なサービスであれば、ライセンスによって販路を拡大することも期待できます。
また、万が一、権利を侵害された際にも法的措置を講ずることが可能です。
次に、戦略的に自社のブランド構築を行うことが可能です。
たとえば、営業の際にも特許を取得していることが対外的なPRや信用につながるでしょう。
また、より発展した技術開発への循環が生まれることも見逃せません。
自社技術を元に大学などと共同研究を通した産官学連携につながる可能性もあります。
最後に、社員のモチベーションの向上です。
開発した成果が「特許」という公的な指標で評価をされることで開発者や研究者のモチベーションの向上にも寄与するでしょう。
社員一人ひとりの意識が高まることでより経済が潤っていくのに貢献しているとも言われています。
以上のような理由から企業が営業活動を行っていく上で、知的財産権を守ることは大変重要なのであります。