契約・交渉

2019.08.27

ロイヤリティとライセンスフィーの違いとは?

フランチャイズ契約には必ずといってもいいほど「ロイヤリティ」という用語が登場します。

フランチャイズ事業は自社の商標やノウハウといった知的財産の使用を他者に許諾することで成立するビジネであり、ライセンスを活かしたビジネスモデルだといえるでしょう。

ここで、ロイヤリティと同じように使われる用語として「ライセンスフィー」というものがあります。

知的財産の分野におけるロイヤリティとライセンスフィーにはどのような違いがあるのでしょうか?

 

≪知的財産におけるロイヤリティの定義≫

カタカナで表記すれば「ロイヤリティ」ですが、実は英字になおすと「Loyalty」と「Royalty」の二種類があり、それぞれの意味は異なります。

Loyaltyは日本語に直訳すると「忠誠」や「忠実」という意味になり、ビジネスシーンでは「顧客からの信頼性」や「会社への忠誠心」といった意味合いで用いられます。

一方のRoyaltyは「王族」や「王位」といった意味になりますが、知的財産の分野においては「ある権利の利用者が、権利者に対して支払う対価」という意味で用いられます。

つまり、知的財産におけるロイヤリティは「Loyalty」であり、特許権や商標権などの使用料が該当します。

 

≪ライセンスフィーの定義≫

ライセンスフィーとはどういう意味なのかを考えるために、まずは「ライセンス」と「フィー」を分解してみましょう。

知的財産の分野における「ライセンス」とは、知的財産の使用・実施を許可することを指します。

権利が認められている知的財産は、特許法や商標法などによってその権利が守られているため、権利者の承諾がないまま使用・実施すると権利侵害となります。

この「使用・実施の許諾」を意味するのがライセンスです。

では「フィー」とはどういう意味なのでしょう?

フィーとは、一般的には「作業に対する報酬」という意味で用いられます。

金融業界では手数料の取り立て業務を指しますが、知的財産の分野では単に「報酬」を意味すると考えれば良いでしょう。

すると、ライセンスフィーとは、これらを合体させた場合に「使用・実施の許諾報酬」という意味になります。

つまり、ロイヤリティとライセンスフィーは、語源や直訳した際の細かな意味合いに照らせば異なったものではありますが、実質的な使い方に違いはないといえます。

 

≪ライセンスフィーという用語は正しいのか?≫

ロイヤリティとライセンスフィーに実質的な違いはないが、実はライセンスフィーという用語そのものは正しいといえません。

ライセンスビジネスにおける対価は、一時金を意味する「イニシャルフィー」と売り上げに対して一定の割合を乗じた「ランニングロイヤリティ」の2つからなるため、これを包括して「ライセンスフィー」という用語が生まれたものと思われます。

ライセンスフィーは、使用料やライセンスにかかる費用などを幅広くカバーする意味合いを持っていますが、詳しくはどのような費用を指しているのかは個別の契約内容によって異なるため確認を要するでしょう。

 

≪ロイヤリティとライセンスフィーは必須ではない≫

他者の知的財産を使用する場合、必ず権利者から使用の許諾を受ける必要があります。

ライセンス契約、フランチャイズ契約などは、名称は違えども「権利者から許諾を受ける」という意味では同じ役割を持っています。

つまり、契約形態が異なっているようでも、つまりは「ライセンス」は必須なのです。

ライセンスを得ていないままの使用・実施は明らかな権利侵害となり、違法行為として相応の責任を負うこととなります。

ただし、ライセンスに関する契約を交わしたとしても、必ずしもロイヤリティやライセンスフィーの支払い義務が課せられるわけではありません。

ロイヤリティやライセンスフィーによって利益を得るビジネスモデルではない知的財産が対象となる場合は、ライセンスが必須でも「ロイヤリティフリー」などのように対価を求められないものも存在します。

たとえば、ご当地キャラクターの存在を全国に広めた「くまモン」は、熊本県のPRにつながる、熊本県産品のPR促進につながると事務局が認めた場合に限り、ロイヤリティ無料でライセンス契約が認められています。

 

≪紛らわしい表記に悩む場合は特許事務所に相談を≫

ライセンス契約書に「ロイヤリティフリー」や「ライセンスフィー」といった同じ意味の用語を別の表記で示されている場合は、勝手に「同じもの」と解釈してはいけません。

特に、ライセンスフィーは使用料やライセンスにかかる費用などを幅広くカバーする意味合いを持っているため、ライセンサー・ライセンシー相互の認識に差が生じてしまうおそれがあります。

ライセンス契約書に紛らわしい表記がある場合は、特許事務所に相談してリーガルチェックを受けて、契約トラブルの回避に努めましょう。

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2019.08.27

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