契約・交渉

2017.10.04

ライセンス契約とサブライセンス契約

 

 

ある知的財産権について、権利者から実施の許諾を受ける契約をライセンス契約といいます。

ところが、ライセンス契約を締結して、許諾を受けたライセンシーが、実際に製品を製造する段階になってある問題が生じることがあります。

それが「子会社、提携企業が製造・販売をおこなう場合」です。

ライセンス契約によって実施の許諾を受けたのは、契約書に記載があるライセンシーであって、子会社や提携企業が許諾を受けていない場合に、この子会社や下請け企業が製造や販売をおこなうことは許諾の範囲外となってしまい、権利侵害が発生してしまうことになります。

自社の業務範囲が限られる、あるいは事業拡大を企図して、様々な協力会社と連携することで企業活動を行う企業では、当然の流れで他の企業に協力を求め、ビジネスの継続や拡大を行おうとしているだけなのに、その他の会社の行為が権利侵害となってしまう等ということがあり得るのです。

このトラブルの解決策となるのが『サブライセンス契約」を許容してもらうことです。

ここでは、ライセンス契約とサブライセンス契約の関係について解説していきましょう。

 

≪サブライセンス契約は許容される?≫

サブライセンス契約とは、権利者から実施許諾を受けたライセンシーが、さらに第三者に実施を許諾する契約をいいます。

実施の許諾を受けた者が、さらに他者に実施を許諾することから『再許諾』とも呼ばれます。

 

ここで、もともと知的財産権は、権利者が独占してその権利の内容を実施することが認められる権利です。権利者以外の他人は、権利者の許諾があって初めて実施をすることができます。

おさらいになりますが、権利者が、権利の内容の実施を第三者に許諾する契約が『ライセンス契約』です。

この「ライセンス契約」の中で、サブライセンス契約を許容することが明記されていない限り、ライセンシーが他者と「サブライセンス契約」を結ぶことは許されません。

サブライセンス契約が予定されているときには、「ライセンス契約」において、サブライセンス契約を許容してもらう条項=サブライセンス条項を加えるように交渉しましょう。

 

≪サブライセンス条項を加えるときの留意点≫

通常、子会社や関連会社に限ってサブライセンス契約を許容してもらいたいときに、ライセンス契約にサブライセンス条項を含めることに大きなハードルはありません。しかし、サブライセンス契約を締結する相手を限定しないことを許容してもらうためには、綿密な交渉が必要になります。これは、「ライセンス契約」のライセンシーが、同時に「サブライセンス契約」のライセンサーとなって自由にビジネスを拡大でき、その収益も予想外に大きくなる可能性を含んでいるためです。

サブライセンス契約によって得た利益を、もともとの権利者にどのように還元するのか、というところが交渉のポイントになるでしょう。

 

また、サブライセンス契約は、もとのライセンス契約の影響を受けるという特徴があります。

そのため、契約期間の終了などによって基礎となるライセンス契約が終了した場合は、ライセンシーとサブライセンシーとの間で締結したサブライセンス契約も終了することになります。

 

加えて、サブライセンシーに対して秘密保持義務が課せられ、その責任についてライセンシーが負うことが記載されることも多く、ライセンシーとしてはサブライセンシーまで契約事項を遵守するよう管理が求められることがあります。

 

≪サブライセンス契約の活用≫

製品の普及によって市場を活性化することにより収益を得ようとする場合には、サブライセンス契約を活用することは検討に値します。ライセンス契約を取り巻く関係を商品販売ルートの関係に例えるなら、ライセンサーは製造業者、直接のライセンシーは卸売業者、ライセンシーから許諾を受けたサブライセンシーは小売業者にあたることになります。

このように例えると、ライセンス契約とサブライセンス契約の違いが見えてくるでしょう。

製造業者が小売業者に製品を個別に納入することは非常に手間がかかります。

つまり、権利者がライセンス事業によって収益を確保したいと考えた場合、多数のライセンシーと契約を結ぶことは非常に手間がかかります。

 

そこで、自社の製品を様々なところに納めてくれる、流通の専門企業である卸売業者に製品を卸すのです。

権利者も、権利の活用先や活用方法を見出してくれる窓口として、ライセンサーとライセンス契約を結びます。

 

卸売業者が、小売業者に商品を販売するように、ライセンサーは、サブライセンシーに権利を有償で許諾することができます。

ライセンサーの窓口としての能力に応じて、ライセンサーの収入が上がり、それが最終的には権利者の利益に結び付くような仕組みであれば、Win-Winの契約、ということになります。

 

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2017.10.04

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