特許・実用新案

2021.08.11

ビジネスモデル特許の具体例と注意点について

近年、パソコンやスマートフォンの普及・ICT(情報通信技術)を活用した新しいサービスの拡大により、
これらを活用した「ビジネスモデル特許」が注目されています。

この「ビジネスモデル特許」という言葉、皆さんご存じでしょうか?

「ビジネスモデル特許」という名前の通り、
ビジネスの方法や仕組みそのものについて取れる特許なのかな?と思われがちですが、
実はビジネスモデルそのものについて特許を取得することはできません。

ビジネスモデル特許の保護対象となるためには、「ICT(情報通信技術)の活用」が必要です。

「え??」と思われるかもしれません。

そこで今回は、「ビジネスモデル特許って何!?」というところから、
ビジネスモデル特許の具体例と、その注意点についてご紹介します。

ビジネスモデル特許とは

ビジネスモデル特許とは、ビジネス方法がICT(情報通信技術)を利用して実現された、
「ビジネス関連発明」についての特許を指します。

ここで、ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略です。
IT「Information Technology(情報技術)」にC「Communication(通信、伝達)」が加わっているように、
情報技術を利用した通信や伝達(コミュニケーショ)という意味です。

そもそも特許は、技術的なアイデアを保護するものであり、
ビジネスのアイデアそのものは特許の対象にはなりません。

一方、近年ではICTを利用したビジネスが盛んに行われており、
このような「ビジネス方法を実現するためのICTを含む発明」は、
ビジネス関連発明として特許の対象となります。

以下、具体的に「ビジネスモデル特許」の例を見ていきましょう。

 

ビジネスモデル特許の具体例

実際に取得されているビジネスモデル特許の例として、
レンタルした商品を、配送者を通じて返却するビジネスにおける、
「レンタル商品返却システムについての特許」があります。

配送者を通じてレンタル商品を返却する場合、配送者による引受時から配達時までに時差があり、
返却期限の管理が難しくなります。

このような返却期限管理の課題に対し、上述のレンタル商品返却システムは、
配送者がレンタル商品を引き受けたときに、商品に固有の識別子を読み取って、
回収日時等をレンタル店に知らせるように構成され、これにより返却期限管理の課題が解決されています。

このように、ICTを活用してビジネスの課題を解決した場合、
そのシステムについて、ビジネス関連発明として特許を取得できる可能性があります。

注意点について

特許権の活用方法としては、発明の独占により利益を上げることや、
「特許取得済み」等の表示により、宣伝・広告に役立てることが挙げられますが、
特許権の活用に当たっては注意も必要です。

特にビジネスモデル特許の場合、既にご説明した通り、
ICTを活用することが特許取得の条件となります。

言い換えると、ICTを活用していない部分については特許の取得ができず、
その部分のみを他社にまねされても、特許権の行使はできません。

そのため、ICTを使わなくても実現できるビジネスモデルの場合、
特許での保護は基本的に不向きだと言えるでしょう。

また、実際に権利行使しやすい特許にするためには、
「ビジネスを行う上で必須の機能」に特化して権利化することが必要です。

ビジネス上は不要な部分が、特許の構成として含まれてしまうと、
他社は簡単に特許を回避できてしまうためです。

このように、有効に活用できる特許を取得するためには、
対象の発明や権利範囲について慎重な検討が必要となります。

まとめ

ビジネスモデル特許の取得に当たっては、
自社のビジネスモデルについて特許を取得できる部分があるのか、
また、どの部分で特許を取得すれば、有効に自社ビジネスを保護することができるのか等、
専門的な観点から検討が必要になります。

ビジネスモデル特許について検討する際は、まずは専門家に相談しましょう。

ビジネスモデル特許についてはこちらもご確認下さい。

ビジネスモデル特許の意味や意義とは
ソフトウェアの特許権申請は難しい?

お問い合わせ
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021.08.11

  • icon_fb2
  • icon_tw2
  • icon_hb
  • icon_gp

関連記事

人気記事