誰にでも理解できるように『知的財産権』を解説

昨今、様々なメディアでもよく取り上げられる『知的財産権』ですが、知的財産権について、ぼんやりとしたイメージしかお持ちでない方も少なくないのではないでしょうか?

『知的財産』とは、様々なジャンルにおける人間の創造的活動により生み出される創作物や、営業上の商品・サービス等に用いられる表示・標識、そして事業活動に有用な技術上又は営業上の情報のことを指します。

身近なものに例えると、あなたの大好きなミュージシャンの歌も、あなたが勤める会社のロゴマークも、今まさにネットサーフィンに使用しているスマートフォンやパソコンのデザインも、全て知的財産です。

これらの知的財産(創作物、表示・標識、情報等)には、有体物と同様に財産的な価値があるため、保護されるべきものとされています。

この知的財産に認められる財産的価値を守るための権利のことを『知的財産権』といいます。

そして、知的財産の保護を目的として種々の法律による知的財産制度が設けられています。

 

知的財産を保護する法律・制度とは

知的財産を保護する法律・制度は、知的創造物に関するものと営業上の標識に関するものに大別されます。

以下、それぞれについて説明します。

 

まず、知的創造物に関するものとして以下の7つの法律・制度が設けられています。

・新たな『発明』を保護するための法律である『特許法』

・日用品を工夫するなどの小発明(『考案』)を保護するための『実用新案法』

・物のカタチやデザイン(『意匠』)を保護するための『意匠法』

・芸術や音楽などの精神的・文化的作品(『著作物』)を保護するための『著作権法』

・独自に開発した半導体の回路配置を保護するための『半導体集積回路の回路配置に関する法律』

・植物の新たな『品種』を保護するための『種苗法』

・ノウハウや顧客リストなどの『営業秘密』に関する不正競争行為を規制するための『不正競争防止法』

これらの法律・制度は、自己が創作したアイデアや商品を他人に使用させないよう保護するだけでなく、将来の研究開発・創作意欲を促進する役割も担っています。

 

次に、知的財産を保護する法律・制度のうち「営業上の標識」に関するものとして以下の3つがあります。

 

・商品に表示するロゴマークなどを保護するための『商標法』

・『商号』の誤認混同行為を規制する『商法』、『会社法』の規定。

・周知・著名な商品等表示や、商品の形態(見た目や質感)を保護する『不正競争防止法』

これらの法律によって商品・サービス等に用いられる表示・標識、商品の形態を保護することで、間接的に企業の信用を保護することができます。

 

こうしてみると、ネットサーフィン用のパソコンのデザインも、コンビニで買ってきたカフェオレの容器に描かれたロゴマークも、メモを取るために使用している文字を消すことができるボールペンも、全て法律によって保護することのできる、知的財産であることに気づかされますね。