著作物を使用する前のポイントとは?

他人の著作物は『著作権』によって保護されているため、基本的には著作者または著作権者の承諾なしに無断で自由に使用することはできません。

著作者または著作権者に著作物の使用を認めてもらうことを「使用の許諾」といいます。

 

著作者や著作権者を探すには、直接コンタクトを取るほか、著作権情報センターなどの機関を介してコンタクトを取りましょう。

著作者不明の著作物であっても無断で使用せず、文化庁長官の裁定を受けて使用する必要があります。

使用の許諾の方法は特に定めがないので、口頭で「あなたの著作物を使用させてください」と伝えて許諾を受けても差し支えはありません。

しかし、口頭のみによると実際に使用の許諾を受けたという事実を証明する証拠もなく、後々のトラブルに発展するおそれがあります。

トラブル発生を回避するためには、使用の許諾について、許諾する範囲や許諾期間、使用料などを詳しく記載した書面を作成し、お互いに交わすことが重要です。

著作物の使用の方法を間違えるとどうなる?

他人の著作物を使用する場合、著作者または著作権者による使用の許諾を受ける必要があります。

日本国内で著作権が保護されている著作物である、いまだ著作権の保護期間内である、教育や公的な使用ではないなどの場合、他人の著作物を無断で使用すると一般的にいうところの『著作権侵害』となり、刑事上の責任と民事上の責任の両方を負うことになります。

まず刑事上の責任ですが、他人の著作物を無断で使用すると著作権法違反で罰を受けることになります。

著作物の無断使用に対する罰則は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金であり、しかも併科(両方の罰が科せられること)される場合があります。

さらに、著作物の無断使用が法人によるものであれば、罰金は法人にも及び罰金の額は3億円以下に跳ね上がります。

もう一方の民事上の責任ですが、損害賠償を請求されるほか、差止請求が認められれば無断使用の商品などを回収することになり、無断使用によって得た利益は不当利得返還請求によって返還する事態になってしまいます。

利益を得た分が手元から離れてしまうだけでなく、賠償金の支払いや差止請求による回収コストなど莫大な出費となるおそれがあるので、他人の著作物の使用は正しい方法を採用することが必須なのです。