特許・実用新案

2020.12.02

サンプルを配布しただけなのに

「新規性」は、特許を取得するうえで、大前提となる規定です。

そもそも、特許法は、発明を公開する代償として、特許権を付与します。すなわち、「発明の公開」は、原則、出願が最初でなければいけません。すでに公開している技術は「新規性が喪失している」と判断され、原則、特許を取得することができません。

 

今回は、「新規性が喪失してしまう事例」について、紹介していきたいと思います。

 

<サンプルの配布によって「新規性が喪失」してしまう?>

[公然実施について]

特許法29条1項2号には、公然実施された発明について規定されています。

具体的には、この特許法29条1項2号では、「公然実施された発明は、「新規性を喪失している」として特許権を取得できないことを規定しています。

ここで、公然実施は、技術的に理解される状況で実施されたことを、意味します。

 

[サンプルの配布が公然実施にあたってしまうのか?]

例えば、おもちゃ会社Xが、新しく開発した「おもちゃA」をイベント来場者へのサンプルとして配布したとします。

このとき、一般のお客様は、「おもちゃA」を分解して、技術的な新しさについて分析(リバースエンジニアリング)することはないかと思います。

ただ、来場者の中にライバル企業の従業員がいた場合には、「おもちゃA」を企業に持ち帰り、リバースエンジニアリングする可能性があります。

このように、「おもちゃAのイベント来場者へのサンプル配布行為」は、技術的に理解される状況であったと考えられます。

すなわち、「おもちゃAのイベント来場者へのサンプル配布行為」は、前掲の公然実施あたると判断されてしまいます。そして、公然実施であると判断された結果、「おもちゃA」について出願したとしても、特許の審査の過程で「新規性がないもの」と判断され、拒絶となってしまいます。

このように、「おもちゃAのイベント来場者へのサンプル配布行為」をしてしまうと、拒絶となってしまうなどのデメリットがあります。

ただ、発明を公開してしまった場合であっても、別途手続きを行うことで、公開の事実をなかったものとできるケースもあります。そのため、出願する際には代理人(特許事務所など)に公開したことを正直に伝え、相談することをお勧めします。

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2020.12.02

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