契約・交渉

2020.11.27

未完成の発明でも特許出願できる?

「新しいアイデアを思いついたものの、まだ試作品の段階です。ただ、このアイデアについて模倣されたくはないので、特許出願できればと考えています。」

「新規技術を用いる予定であるものの、まだ完成はしていません。このような未完成の新商品についても、特許出願はできるのでしょうか?」

今回は、このような、「試作品や未完成の新商品に用いられている技術(アイデア)についての特許出願をした場合に、権利化を図れるのか」という疑問に答えていきたいと思います。

≪明細書の記載要件とは?≫

先ほどの疑問の回答をするにあたり、『明細書の記載要件(特許法36条4項1号)』というものを気にしなければいけません。

この、『明細書の記載要件(特許法36条4項1号)』は、当業者が発明の実施をできる程度に明確かつ十分な明細書の記載を要求する規定です。

特許出願をしたいと考える技術(アイデア)が、従来存在しないものであり(新規性を有し)、どんなに優れた(進歩性を有する)ものであっても、上記の『明細書の記載要件(特許法36条4項1号)』を満たさないと、特許出願をしても権利化を図ることができません。

では、試作品や未完成の製品であっても、『明細書の記載要件(特許法36条4項)』を満たすことができるのか、を説明したいと思います。

 

≪試作品や、未完成の製品でも、明細書の記載要件を満たすことができる?!≫

結論からいうと、試作品や未完成の新商品でも、明細書の記載要件を満たす場合があります!!具体的には、試作品や未完成の新商品であっても、特許出願を希望する新規技術(新しいアイデア)のコンセプト、メリットをはっきりと示せれば、出願に足る明細書の記載とすることができます。

というのも、明細書をみた当業者が特許出願を希望する新規技術(新しいアイデア)を含む製品を作れ、使用できると理解できる程度の記載であれば、『明細書の記載要件(特許法36条4項)』を満たすといえます。

例えば、日用品の場合、試作品であっても、その試作品を基に同様のコンセプトの製品を作れ、使用できることを、当業者であれば理解できます。

また、洗剤や香水などの化学製品の場合、未完成であっても、実験等により新規技術(新しいアイデア)に基づくメリットを示し、およその製造手順が開示されていれば、その実験結果を基に同様の製品を作れ、使用できることを、当業者であれば理解できます。

このように、試作品や未完成の新商品であっても、その新規技術(新しいアイデア)を用いた製品を作れ、使用できることを当業者が理解できれば、『明細書の記載要件(特許法36条4項1号)』を満たす明細書を記載することができる場合があります。

ここで、先願主義を採用している日本では、なるべく早く出願することが求められます。すなわち、試作品や未完成の新商品であっても特許出願を検討することが、有効な知財戦略のためにはとても重要です。

なお、『明細書の記載要件(特許法36条4項)』を満たすか否かの判断には、専門的な分析が必要なこともあります。

そのため、貴社の試作品や未完成の新商品で特許出願できるのか否かの判断については、専門家にお気軽にご相談ください。

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2020.11.27

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