特許・実用新案

2020.06.30

早期審査制度の活用について

<早期審査とは>

特許出願から3年以内に審査請求を行うことで、平均9.3か月(2018年)で審査官から審査結果を受け取ることができます。早期審査制度を活用することで、この期間を平均2.3か月(2018年)に短縮することができます。

 

<早期審査を受ける為の条件とは>

図1に示す出願が、早期審査の対象であり申請が可能です。中小企業、個人、大学、公的研究機関、TLOによる出願であれば申請できますが、中堅企業・大企業の場合は、条件に一致するか確認が必要です。

なお、早期審査の申請では、特許庁に対しての費用は掛かりませんが、特許事務所などに依頼する場合、基本的に手数料が発生します。

【図1】早期審査の対象となる出願

 

<早期審査の活用法とは>

前述したように、早期審査のメリットは審査期間を短縮し、通常より早く権利取得できる点です。では、どのような場面において、権利化を急ぐべきなのでしょうか。

例えば、以下のような場合が考えられます。

・出願した発明を他社が実施している場合(権利侵害が疑われる場合)

特許が権利化されていない状態では、差し止め請求や損害賠償請求を行えません。

 

・特許登録済みの製品・サービスとして営業などに利用したい場合

特許登録されることで、技術力・開発力の高さをアピールすることができます。

 

・市場における優位性の確保

特許が権利化されることで、他社が市場に参入する障壁となります。

 

・外国出願を検討している場合

日本の特許出願を基礎としてパリ優先権を主張して外国出願する場合、日本の出願から1年以内に申請する必要があります。早期審査を活用することで、日本での審査結果を踏まえて、外国出願を検討することができます。

関連記事:日本で取得した特許権は海外でも有効?

 

・審査結果に応じて対応を検討したい場合

審査の結果、出願時の内容では権利化が難しいと判断される場合、出願から1年以内であれば優先権を主張することで、内容を追加して新たな出願として出し直すことが可能です。この場合、追加部分の内容は後の出願日を基準に審査され、先の出願時から記載していた内容は先の出願日を基準に審査されます。

また、内容を追加することも難しい場合、1年4か月以内に出願を取り下げることで、1年半後の出願公開を防ぐことができます。

 

【図2】早期審査の活用について

 

<スーパー早期審査について>

早期審査より更に審査期間を短縮できるスーパー早期審査という制度もあります(平均0.7か月)。スーパー早期審査の対象となる出願は、「実施関連出願」かつ「外国関連出願」であること、又はベンチャー企業による出願であって「実施関連出願」であること、の何れかに該当する必要があります。また、申請前4週間の手続すべてをオンラインで申請する必要があります。

 

<早期審査のデメリット>

特許の権利範囲が確定することで、権利範囲を回避して模倣しようとする他社の動きも早くなることが予測されます。特許出願による牽制効果を狙う場合、権利範囲を確定させない方がよい場合もあります。

なお、分割出願を併せて活用することで、権利範囲が確定しない特許出願を維持することが可能なため、上記のデメリットを解消できる可能性があります。

関連記事:特許の分割出願とは?

 

まとめ

ご紹介しました活用事例を踏まえて、早期審査を検討してみてはいかがでしょうか。

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2020.06.30

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