特許・実用新案

2020.04.09

特許公報を有効活用しよう

新たな発明をして、特許が取れるか調べたい時、新製品を販売する際に、他社の特許権を侵害しないか調べたい時には、他社の特許公報を調べるのが有効です。今回は、特許公報の活用方法をご紹介します。

 

特許公報とは

(1)公報の種類について

特許庁が発行する公報には、大きく分けて『公開特許公報』と、『特許公報』の2種類があります。

特許出願をすると、原則として出願日から1年6か月には、その発明の内容が『公開特許公報』として公開され、誰でも閲覧することが可能になります。この『公開特許公報』には、出願した発明の内容がそのまま記載されているに過ぎず、『公開特許公報』に記載の発明が、そのまま特許権として認められているわけではありません。『公開特許公報』は、従来技術を把握するための技術文献として主に使用されます

特許庁での審査を通過して、晴れて特許権が認められた発明は、特許権の設定登録後に公開される『特許公報』に記載されます。すなわち、『特許公報』には、特許権が認められた範囲を示す権利書としての機能があります。

特許公報を活用するにあたり、これらの違いを理解しておくことは極めて重要です

 

(2)公報の記載内容について

公報は、『願書』、『特許請求の範囲』、『明細書』、『要約書』と、必要に応じて『図面』の計5つの書類からなります。各書類の記載事項について、それぞれ以下の表にまとめました。

中でも、『特許請求の範囲』が最も重要な書類であり、『明細書』が次点で重要な書類となります。

 

公報の活用方法について

(1)他社の特許権を侵害していないか確認したい

特許公報には、特許権の権利範囲を示す権利書としての機能があり、『特許請求の範囲』に記載の事項が、そのまま特許権の権利範囲となります。自社の開発中の製品、又は既に販売している製品が他社の特許権を侵害するかどうか検討したい場合には、『特許公報』の『特許請求の範囲』に、自社製品と同じアイディアの発明が含まれていないかを確認しましょう

また、いまだ審査中で権利が認められていない発明であっても、将来的には特許権が認められる可能性が十分にあります。自社製品と同一の発明が記載されている公報が『公開特許公報』だからといって安心せずに、『特許請求の範囲』を確認しておき、定期的に審査の進捗状況を確認しておきましょう

 

 

(2)自社の発明に特許権が認められるか確認したい

公開特許公報には、上述の通り技術文献としての機能があり、公開特許公報に自社が完成させた発明と同一、又は類似のアイディアが記載されていれば、その発明について特許権を取得することはできません。公開特許公報に同一、又は類似のアイディアが記載されているかどうかの判断は、上述の『特許請求の範囲』の他に、『明細書』、『図面』に記載の事項も考慮されます。

自社の発明が特許権として認められるかどうか確認したい場合には、『公開特許公報』『特許請求の範囲』、『明細書』、『図面』に自社発明と同一、類似のアイディアが記載されていないか確認しましょう。

 

(3)その他の活用方法

 同一の技術分野における、最新の公報を取得することで、その技術分野における最新の技術動向を確認し、貴社の研究開発の指針を決める指標とすることもできます。

また、特定の競合他社の公報を確認することで、競合他社がどのような技術に注力しているかを把握することができます。この情報は、競合他社とどのように差別化を図っていくか、今後の研究開発の方針を定める上で極めて重要となります。

 

まとめ

特許公報、及び公開特許公報は、貴社が安心して事業活動を続けていく、あるいは広げていくための情報、さらには戦略的に事業を展開していくための情報が詰まった貴重な情報源となります。

これらの公報は、独立行政法人 工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営する、『J-PlatPat』を使うことで、誰でも無料で閲覧することができます。J-PlatPatでは、気になる出願が審査請求されているか、補正は行われているか等の、審査の過程も閲覧することができます。

貴社が必要とする公報を効率的に取得するためには、目的に応じた検索式を作成することができる豊富な知識と経験が必要不可欠です。さらには、公報には独自の専門用語も多く、慣れていない方にとっては公報の内容を正確に理解するのは難しいかも知れません。

・他社の特許権を侵害しないか心配

・自社の発明が特許を取れるか知りたい

・競合他社の技術動向を調べたい

このような場合には、まずは専門家に相談にしてみましょう。

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2020.04.09

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