特許・実用新案

2019.03.13

このままでは特許を侵害してしまうと気づいた際に挽回するための方法について

自社の商品やサービスが他者の特許権を侵害してしまうおそれがあると判明すれば、知財担当者としては難しい判断を迫られることになります。

新規性がある発明だと喜んで商品化・実用化されたサービスが、実はすでに第三者が権利を取得していたとなれば、その事実を進言することさえためらってしまうでしょう。

しかし「知らなかった」では絶対に済ませてもらえないものなので、大きな損害を被る前になんとか挽回の策を提案したいところです。

特許権を侵害しそうだと気づいたときの挽回策について解説しましょう。

 

≪特許権侵害を回避するための5つの挽回策≫

 

特許権侵害を回避するためには、5つの挽回策があります。

 

まずは代替技術を発明することです。

代替技術を発明できれば、従来の発明に頼ることもなく、他者の特許権にすがりつく必要もなくなるでしょう。

単純明快な挽回策ですが、ただし代替技術を発明すること自体が非常に困難で、莫大な時間とコストを費やすことにもなるでしょう。

 

2番目の挽回策は無効理由を見つけ出すことです。

特許を出願すると特許庁の審査を受け、これにパスしないと権利化はできません。

特許権を取得するには、産業上の利用、新規性、進歩性が必要となりますが、特に新規性の点において無効理由が主張しやすいでしょう。

たとえば、公知の技術であるのに特許権を取得しているとすれば、その事実を指摘して特許権を無効にできます。

ただし、特許権が無効であることを立証する立場になるため、相手からは「なぜ無効を主張するのか?」と存在を探知されることになります。

徹底攻勢になる事態は避けられず、立証が失敗すれば特許権侵害によって反撃を受けるリスクをはらんでいる、いわば諸刃の剣の策です。

 

3つめの挽回策はライセンス契約を結ぶという方法です。

特許権を持つ他者に対して実施料を支払うことで、特許の使用を許諾してもらう解決法となります。

平和的な解決方法ではありますが、許諾の範囲、期間、実施料などの面で規制を受けるため、これまでどおりに発明を実施できなくなり、せっかくライセンス契約を交わしても事業に活かせない状態になるおそれもあります。

 

ライセンス契約で十分な効果を得られないとすれば、4つめの挽回策は特許権を譲渡してもらうことを考えるべきでしょう。

相応の対価を支払って特許権のすべてについて譲渡を受ければ、実施範囲や期間などに規制されることはありません。

ただし、大きな対価の支払いになることが多く、事業継続に対して深いダメージを負うことにもなるので、費用対効果を十分に検討する必要があります。

 

最後に考えられる挽回策が「他者の特許権を無視してそのまま実施する」という戦略です。

非常に乱暴な考えにも聞こえますが、まさか特許権を侵害しているのに「いわれなければ問題はない」といった感覚で無視することを指しているわけではありません。

それではただの違法行為です。

たとえば、他者から特許侵害の申立てを受けたとしても、自社が先使用権を主張できるだけの材料が整っているなど特殊かつ有利な事情があればおそれることもありません。

 

≪挽回策をとる必要性を十分に検討する≫

 

そもそも、ここで掲げた挽回策をとる必要があるのかを十分に検討する必要があります。

対象となっている発明が、真に自社の事業に必要なものなのか、コストをかけて挽回策を労したところで費用対効果が低いものであればその発明の使用をあきらめたほうが得策であることもあります。

知財担当者としては、特許侵害を回避するためにあえて「挽回しない」というベクトルの対策を進言するのも重要な使命だと考えておくべきでしょう。

 

≪まずは特許事務所に相談を!≫

 

特許権侵害が起こるおそれを察知したら、早急に特許事務所に相談することをおすすめします。

知的財産のプロフェッショナルである弁理士にアドバイスを求め、もっとも適切な挽回策はどれになるのか教示を求めるのが賢明でしょう。

特に知的財産の分野は豊かな経験と深い知識が必要な分野です。

侵害が予想される発明の分析や周辺調査などは弁理士に一任するほうが確実でしかも早く結論が出ます。

特許権侵害で他者から訴えられるおそれがあると気づいたら、一刻も早く信頼できる弁理士に相談してアドバイスを受けましょう。

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2019.03.13

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