契約・交渉

2018.11.19

アニメやキャラクター使用のライセンス契約での留意点

近年、地方から発信される『ご当地キャラ』や『ゆるキャラ』などが浸透し、オリジナルキャラクターを権利化する意識が向上しています。

一方で、どんな場合でもオリジナルキャラクターを権利化すれば収益が得られるという誤解も生じているため、キャラクターを取り巻く知的財産保護のかんがえかたについては、改めて理解を深めておく必要があるでしょう。

ここでは、アニメキャラクターなどをはじめとした「キャラクター使用におけるライセンス契約の留意点」について、使用許諾を受ける側、使用を許諾する側の両面からみていきましょう。

≪原則、無断での使用はできない≫

基本的に、キャラクターには著作者に認められた著作権が発生しています。

そのため、著作者の許諾を受けずにキャラクターを使用することは著作権法に違反することになります。

また、キャラクターが商標登録されている場合、またはデザインとして意匠登録されている場合であれば、無断での使用は商標法または意匠法に抵触することにもなります。

もし、知的財産権としての登録がなされていない場合でも、著名なものであれば不正競争防止法によって保護されるため、やはり無断での使用は違法となります。

原則的に「無断での使用は違法」だと認識しておけば間違いはないでしょう。

ただし、ご当地キャラの中には商用利用を除いては使用を自由に認めているキャラクターも存在するため、キャラクターの使用においては個々のケースで確認する必要があります。

 

≪使用許諾を受ける場合の契約上の留意点≫

キャラクターの使用許諾を受ける際には、契約期間・ライセンス料・許諾される範囲などに留意することは当然ですが、契約を結ぶ場合に最も注意を払うべきなのは「契約の相手が真の権利者であるのか?」という点でしょう。

この問題が生じやすいのがアニメキャラクターです。

一般的に、テレビで放映されているアニメのキャラクターについては、放送局やアニメ制作会社、原作の出版社などが権利を所有しています。

ところが、まれに本来の原作者が著作権を主張して、版権を出版社などに譲渡していないことがあります。

出版社やアニメ制作会社などとライセンス契約を交わして使用していても、実は原作者の許諾を受けていないことになってしまい、侵害を訴えられる事態に発展することもあるため注意が必要です。

この場合、契約が正規のものであったと誤認していたことを主張すれば損害賠償責任を回避することはできるかもしれませんが、キャラクターを使用した商品の販売は不可能となり、すでに出荷している商品の引き上げなどによって多大な損害を受けるでしょう。

また、せっかく使用許諾を受けたキャラクターであっても、ビジネスに活用できなければ何の意味もありません。

商品とキャラクターのマッチングや市場調査などを徹底したうえでライセンス契約を締結するよう留意しましょう。

≪使用を許諾する場合の契約上の留意点≫

わが国だけでなく、諸外国の経済動向は常にさまざまなトラブルの影響を受けてきましたが、キャラクター産業は非常に高い安定性を保っています。

そのため、キャラクターを知的財産権で保護してビジネスに活用することは、非常に厳しい経済情勢の中で企業が生き抜くための重要な鍵となります。

キャラクターの使用を許諾するライセンス契約を締結する際には、次の点に留意しましょう。

 

まずは「ライセンス料」です。

ハローキティなどでおなじみのサンリオは、年間のキャラクター使用料による収益が300億円を超えています。

同社の売上高のうち40%以上をライセンス料が支えていることになります。

このようなビジネスモデルをみると、ぜひ自社でもキャラクタービジネスで収益をあげたいと望むことは当然ですが、むやみにライセンス料を高額に設定することは避けるべきです。

キャラクターの使用料率の相場は4〜6%となっており、かなり低く設定されているのが現実です。

アパレル関係などであれば10〜40%が相場となっていることと比べると、その低さがわかるでしょう。

過度の期待は禁物、ということです。

 

「使用する範囲の特定」も重要です。

二次元的な利用に限るのか、立体物としての商品化も可能とするのかによっては、ライセンシー側のビジネス利用の幅は大きく異なってきます。

アニメキャラクターなどでは、フィギュア化など立体物の商品化も視野に入れているライセンシーも多いため、使用する範囲を特定しておくことは非常に重要です。

 

アニメキャラクターなどのライセンス契約において忘れてはならないのが「新たな創作を許諾するのか」です。

たとえば、現在進行形でテレビ放映されているアニメキャラクターなどでは、ストーリーの進展によってキャラクターの容姿が大きく変化することがあります。

少年だった主人公が青年になった、変身した、などのように、当初の契約段階では想像していなかった容姿に変化した場合であっても、そのキャラクターの本質的な部分を損なわない範囲内で新たな創作を許諾するのか否かを決めておく必要があります。

 

≪アニメキャラクターのライセンス契約を結ぶ際は特許事務所に相談を≫

自社の戦略として他者が著作権を持つアニメキャラクターを使用したい、あるいは自社が所有するアニメキャラクターの使用を他者に許諾したいとお考えの場合は、まずは特許事務所に相談することをおすすめします。

 

他者が創作したアニメキャラクターは確実に他者の著作権によって保護されているため、無断での使用は著作権侵害に陥ります。

また、ライセンス契約を結んで使用したいと考える場合でも、著作権者へのアクセスや折衝には知的財産の専門知識が必要となるでしょう。

 

自社のアニメキャラクターの使用を他者に許諾する場合は、どれくらいの範囲で使用を許諾するのかを慎重に許諾する必要があるので、やはり慎重な判断を要します。

むやみに広い範囲で使用を許諾してしまうと、自社が使用したいと考えた際にライセンス契約が足かせとなって自由な使用ができなくなることも考えられるのです。

 

アニメキャラクターのライセンス契約では、許諾を受ける側、許諾する側、どちらの場合でも経験・実績が豊かで信頼できる特許事務所に相談してサポートを受けましょう。

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2018.11.19

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