商標

2018.06.20

商標のライセンス契約、契約書に絶対に記載するべき事項とは

商標のライセンス契約は、商標がビジネスに直結して使用されることが多いという特性を持っておりトラブルに発展することも少なくありません。

商標ライセンスにおけるトラブルを回避するために有効なライセンス契約書作成上の必須記載事項について紹介します。

 

商標のライセンス契約トラブル

ライセンス契約とは、自社が保有している知的財産について、相応の対価の支払いを得て第三者に使用を許諾することです。

商標権についても、他の知的財産と同様に、ライセンス契約によって第三者に使用を許諾し対価を得ることが可能です。

商標権のライセンス契約はビジネスに直結するケースが多く、そのためトラブルに発展することも珍しくありません。

そして、商標権ライセンス契約のトラブルについて原因を追及していくと、そのほとんどがライセンス契約書の記載事項にあることが分かります。

たとえばある商標についてライセンス契約を結んで商品を販売していたところ、ライセンス契約書に明記されていた契約期間が満了し、契約延長に同意が得られなかったため、それまでにライセンシーが自社努力によって広めた商品名がライセンス契約の期限切れによって使用できなくなってしまったというケースが代表的でしょう。

ヤマザキナビスコ社と米ナビスコ社のリッツ・オレオ問題がこれにあたります。

ライセンシーとしての立場から見れば看板商品を失うことは経営戦略上の大きな痛手となるし、ライセンサーとしても問題に対応する労力を要するうえに問題が世間に公表されることで商標が持つブランド力を著しく傷つけてしまいます。

商標ライセンス契約におけるトラブルは、ライセンサー・ライセンシーの双方にとって大きなマイナスとなる重要な問題なのです。

 

商標ライセンス契約書に絶対に記載すべき事項

商標ライセンス契約におけるトラブルを回避するために、ライセンス契約書には絶対に記載しておくべき事項を紹介しましょう。

まずは許諾する商標を特定することです。

ライセンス契約書において、どの商標の使用を許諾するのかを誤解が生じないように特定して明記することは最も基本的なことですが、重要項目でもあります。

契約書の体裁としては、すでに登録されていれば商標登録番号、出願中であれば出願番号を記載するだけでも事足りますが、個々具体的な態様も併せて記載することでトラブル回避に努めるほうが賢明でしょう。

契約の期間はライセンス契約の要所と言えるポイントです。

特にライセンス期間が長期にわたる場合はほぼその商権を全面的に渡すことになるので、相応に高額なライセンス料を設定することになります。

単に高額のライセンス料を得たいがために長期のライセンス期間を設定してしまうと、自社がその商標を使用することができない期間がいたずらに長期化するため、経営ビジョンと照らして契約期間を設定する必要があります

許諾の態様を明記することも重要でしょう。

許諾の態様としては通常使用権・独占的通常使用権・専用使用権があります。

通常使用権では他のライセンシーにも使用が許諾され、独占的通常使用権では一つのライセンシーと商標権者のみ使用可能となります。

専用使用権は、一つのライセンシーのみが使用可能で商標権者さえも使用できない排他的独占権です。

使用の態様も明記すべきです。

商標の一部を削除したり変更して使用することは、本来商標が持っている識別力に変化を与えるおそれがあります。

商標のブランド力を毀損することもあるので、使用の態様を制限することは非常に重要でしょう。

ロイヤリティの設定はライセンス事業において最も重要な項目です。

契約当初に一時金としてイニシャルロイヤリティが発生するのか、売上げに対するランニングロイヤリティは何%になるのか、売上げが振るわなかった場合でも支払うべき最低使用料は設定するのかなどを、許諾内容に照らして規定する必要があります。

品質管理は商標が持つブランド力を維持するために必要となる項目です。

いかに使用を許諾されているからといって、ライセンシーがブランドに相応しくない使用をすることはライセンサーにとって大きな不利益となります。

粗悪な商品に商標が使用されることがないよう、ライセンサーによって商標が使用されている商品の品質を管理することを規定するべきでしょう。

併せて、帳簿などをライセンサーが検査する条項も盛り込んでおきたいところです。

不争義務を規定しておくことも重要です。

ライセンシーの中には、商標の無効を主張してライセンス料の支払いを免れようと画策するものがいます。

ライセンシーが無効を主張して商標権の存続が危うくならないように、不争義務を規定して、これに反する場合はライセンス契約を解除する旨を盛り込んでおきましょう。

侵害における補償もライセンス契約書には規定しておくことをお勧めします。

使用を許諾した商標がはからずも第三者の商標を侵害していた場合や、不正競争防止に違反する場合はライセンサーが補償する旨を規定するのは、両者の信用性を高める上で重要な項目となります。

 

商標ライセンス契約書の作成には専門家のサポートを!

商標のライセンス契約書を作成する際には、ここで紹介した各項目を漏れなく記載する必要がありますが、ただ記載していれば良いというものでもありません。

自社にとって将来の経営戦略を阻害する内容になっていないかなどを、知的財産の専門家にチェックしてもらうべきです。

商標ライセンス契約の締結を検討している場合は、まず商標権に明るい特許事務所に相談してアドバイスを請い、ライセンス契約書の作成のサポートを受けて、実りあるライセンス契約を実現しましょう。

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2018.06.20

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