意匠

2018.01.23

部分意匠制度とは

部分意匠制度とは、物品として独立して流通することのない部分について意匠権を認める制度です。

部分的なデザインの模倣を防ぐ目的で平成10年の法改正によって整備されました。

 

部分意匠制度とは?

従来、意匠法第2条で定義されている『物品』は独立した製品として流通するものと解されていました。

この考え方で言えば、例えば独特なデザインのシャッター部分を持つカメラは、シャッター部分を模倣されたコピー商品が出回ったとしても、カメラ全体の意匠を害さない限り意匠権の効力は及ばないことになります。

全体的な形状の模倣に当たらない限り意匠権侵害が成立しないことで、部分的な模倣は放任された状態が続き、物品の作り手側は法の盲点による侵害行為に悩まされていました。

このように、物品として独立して流通することのない部分の模倣を防ぐため、平成10年に意匠法が改正され、意匠法第2条の物品の定義に「物品の部分」が含まれることになりました。

この改正により、独創性が高く特徴のある部分を有した物品については、その部分を『部分意匠』として保護することが可能になりました。

先に例示した独特なデザインのシャッター部分を持つカメラであれば、部分意匠によってシャッター部分のデザインが独立して意匠権を持ち、たとえ全体的な意匠を害していなくてもシャッター部分が模倣されていれば意匠権侵害が成立するようになりました。

部分意匠制度の採用によって、部分的にデザインに特徴がある商品・部分的にデザインに特徴があるが商品全体としては部分の特徴が埋没してしまう商品・会社のブランドとして特徴的な部分を持つ商品などの保護強化が期待できます。

 

部分意匠制度の保護範囲

部分意匠制度は特徴的なデザインを持つ部分の模倣を防ぐことを目的に規定されたものですが、どのような形態で模倣されても部分意匠による効力が及ぶわけではありません。

平成23年に知財高裁で下された判決では「部品は物品全体から見ると要部にすぎず、物品全体の形状もみて類似範囲を判断するべき」として、部分意匠の保護範囲が『要部説』で判断されるべきと判示しています。

例えば、部品のみの形状が類似しているとしても、物品全体における位置や大きさが全く異なる場合には意匠権侵害には当たらない場合があります。

他社製品に自社製品の模倣と疑わしい部分があったとしても、模倣が意匠権侵害にあたるかの判断は専門的な知識と経験を要するため、意匠権に明るい弁理士に相談するのがベストでしょう。

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2018.01.23

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