仮想通貨の高騰によって注目を集めているブロックチェーン技術。

分散型台帳技術と呼ばれるブロックチェーンは、優れた防改ざん性を備えた送受金技術として仮想通貨だけでなく実際の通貨取引にも転用することで広く導入され、特許出願件数も激増しています。

 

ブロックチェーンとは?

2017年を振り返ると『仮想通貨元年』と呼ばれるほどにビットコインや1,000種類にも及ぶアルトコインなどの仮想通貨の価値が高騰しました。

特に2017年末頃にかけての異常とも言える高騰が各メディアで取り上げられ、仮想通貨という言葉を知らない人はいないほどの話題となりました。

この仮想通貨のシステムを支える技術が『ブロックチェーン』と呼ばれる分散型台帳技術です。

ブロックチェーンを簡単に説明すると、同じ情報をたくさんの場所に分散して保管することでユーザーによる改ざんや不正な情報を用いた取引をシャットアウトする技術だと言えます。

元々は仮想通貨のはしりであるビットコインのために開発された技術ですが、優れた改ざん防止性や高性能な中枢機器を不要とするため、実際の通貨の取引にもブロックチェーンの技術を導入している金融機関が増えており、送受金を支える新たなインフラ技術として注目を集めています。

 

ブロックチェーン関連の特許出願状況

ブロックチェーン関連の特許出願は、実は2017年の仮想通貨ブームに先駆けて2013年頃から増加傾向にありました。

ブロックチェーンの技術は2009年には存在していましたが、2013年のブロックチェーン関連の特許出願件数は前年対比80%を超え、1社につき数十から数百件の特許を出願・取得している状況です。

出願から1年6ヶ月を経過していないため公開に至っていない特許も数多く存在していることは間違いなく、段階的に公開を迎える特許も含めて、ブロックチェーン関連の特許出願はこれからもますます増加していくものと予想されます。

ブロックチェーン関連の特許技術は仮想通貨の取引だけでなく、実際の通貨の取引、商品販売時の決済システム、重要な個人情報の記録などにも転用されています。

一部のアルトコインでは、取引時の契約内容をブロックチェーンに記録する機能を実装していたり、住民票などの重要な個人情報をブロックチェーンに記録・管理することを目標としているものも存在します。

ブロックチェーン関連の特許技術は多角的な展開を見せているので、各方面の知財担当者はブロックチェーン関連の特許情報に対して関心を払っておく必要があるでしょう。