商標を出願すると特許庁が商標として適切か否かを審査することになりますが、商標法に「登録できない商標」として除外要件が規定されているため、全てが登録されるわけではありません。

では、どのような要件で登録されないのか詳しくご紹介しましょう。

 

登録できない商標

商標を出願すると特許庁が商標として適当か否かを審査することになりますが、出願しても全ての商標が登録されるわけではありません。

商標法には「登録できない商標」が規定されています。

まず「他人の登録商標や周知・著名な商標と紛らわしいもの」は認められません。

これは知財担当者にとっては常識的でしょう。

例えば

◉スポーツ選手や芸能人など他人の氏名・名称・芸名など

◉消費者に限らず取引者間で周知となっている商標や全国・一部の地方で広く認識されている商標

◉他人の登録商標と同一または類似したもので、同一または類似した商品または役務に使用するもの

◉別の商品または役務であっても、他人の業務と混同されるおそれがあるもの

◉海外で周知の商標を売却目的で先取りするなど、不正の目的を持って使用するもの

などはこれに該当するため商用登録できません。

 

そのほかの登録できない商標

他人の登録商標・周知著名な商標と紛らわしい商標が登録できないのは常識的な話ですが、ほかにも登録できない商標があります。

「自己と他人の商品・役務が識別できないもの」は商標登録が認められません。

例えば

◉指定商品『アルミニウム』に対して商標『アルミ』のような普通名称の略称

◉指定商品『清酒』に対して商標『正宗』のように業界で慣行されているためもはや識別力を失っているもの

◉指定商品『菓子』に対して商標『東京』や指定商品『シャツ』に対して商標『特別仕立』のように商品や役務の産地・販売地・品質などを表記しただけのもの

『山田』や『田中株式会社』などありふれた氏や名称のみを使用したもの

◉『1』『ヤ』『◯』『AB』など、極めて簡単でかつありふれた標章のみからなるもの

◉地模様やキャッチフレーズなど、誰の業務であるかを識別することができないもの

がこれに該当します。

さらに「公共の機関の標章と紛らわしいなど、公序良俗に反するもの」も商標登録できません。

例えば

◉国旗(外国も含む)・菊花紋章・勲章など

◉国際原子力機関や赤十字などの標章

◉地方公共団体が表示する標章

◉卑猥なものや差別的なものなど、公の秩序や全良な風俗を害するもの

◉指定商品『ビール』に対して『◯◯ウイスキー』など商品の品質や役務の質の誤認を招くもの

がこれに該当します。

商標登録を目指す際には、これらの「登録できない商標」に抵触しないように注意を払う必要があります。