特許分類とは?

特許分類とは、特許を技術分野ごとに分類するためのタグを指す特許用語です。

世界各国には、様々な分野に渡って数多くの特許情報が存在しています。

特許情報は、特許が出願されることによって特許公報というかたちで世間に公開されることになりますが、あまりにも数多くの特許情報が存在するため、特許庁の審査官や企業の開発担当者などが必要な特許情報を抽出するのは困難な作業となります。

そこで、ある技術分野に関する特許情報や特許文献を素早く、確実に検索・抽出するためのタグとしての役目を果たしているのが特許分類です。

特許分類は、まず特許庁による審査が先行することから特許庁の責任において付与され、出願から1年6ヶ月後の特許公報において公開されることになります。

特許庁においては、特許分類は主に出願を受けた技術分野における先行技術の存在を調査するために活用されており、企業が特許取得を目指す際にも同様に活用されています。

 

特許分類の基本は国際特許分類による

日本国内における特許分類は、基本的には国際特許分類に準じて分類されています。

国際特許分類は1954年に定められましたが、それ以前は各国が独自の基準を設けて分類していました。

しかし、国際的な技術交流や経済活動が盛んになり、海外で特許を取得することが盛んになってくると、統一されていない分類から必要な特許情報を探し出すことは非常に困難であるという問題が生じたため、国際特許分類が定められることになったのです。

国際特許分類は、当時、特許分類の整備が行き届いていたドイツの分類方法を基準として制定されましたが、ここにはある問題がありました。

ヨーロッパの基準で制定された国際特許分類では、日本では多用されていてもヨーロッパでは多用されない技術が分類されていなかったのです。

例えば、日本は稲作が盛んであるため、田植え機に関する特許技術が豊富に存在していますが、ヨーロッパでは稲作が盛んではなく田植え機の需要が皆無であるため、田植え機に関する特許分類が存在しないのです。

そのため、日本では、国際特許分類とは異なる独自の分類で仕分けられる特許分類も存在しているのです。