パテントマップとは?

パテントマップとは、日本語に直訳すると「特許の地図」という意味の特許用語です。

一般的には「特許情報を分析し、その動向等をビジュアル化したもの」と定義されています。

ある発明の特許取得を目指す際に、先行技術の調査や特許調査をおこなう上で、膨大な情報から必要な情報のみを効率よく抽出するため、図・グラフ・表などの方法で視覚化した資料をパテントマップと呼びます。

企業の知財担当部署では、他社が所有している特許を含めたパテントマップを独自に作成して自社発明の特許取得や経営戦略に活用しています。

特許庁でも、注目されている技術分野を中心に、様々な分野のパテントマップを作成し、情報提供をおこなっています。

特許戦略成功のカギはパテントマップにある?

新たな発明の研究開発に多額のコストを投入したり、新たな技術を導入したりする際には、パテントマップの存在は欠かせません。

例えば自動車製造メーカーがハイブリッド車に使用する部品を開発するには、競合する主要自動車製造メーカーや関連している部品メーカーが所有している特許の情報をグラフや表などに整理したパテントマップを作成します。

パテントマップを作成することで、研究方針の絞り込みが可能になり、自社の開発領域の明確化や、アライアンス企業を選定することにも役立ちます

また、パテントマップの作成によって他社が保有する特許の範囲を明確にすることで、他社の特許の侵害や、他社の特許に阻まれて製品が開発できなくなる等のリスクを回避することができ、事業リスクの評価にも役立ちます

特許庁では、国の政策として今後推進するべき技術分野を中心として、特許出願技術動向調査を実施しています。

特許出願技術動向調査の結果は、特許庁図書館や国立国会図書館、各都道府県の知財支援窓口で閲覧可能となっており、企業がパテントマップを作成するにあたって非常に有益な資料となっています。

弁理士事務所に依頼する前に、自社が知り得る限りの情報でパテントマップを作成すると、現状の整理などにも有効となるでしょう。