ホログラム商標とは?

 

平成26年の商標法改正によって新たに商標登録の対象となったのが『ホログラム商標』です。

ホログラムといえば、見る角度によって絵柄が変化したり、平面なのに奥行きや立体感を感じさせることでお馴染みでしょう。

光の干渉性を利用して平面に立体的な文字や図形を表示するホログラフィー技術を使用しており、製造には高い技術が必要です。

製造技術が高いため製造コストも高く、偽造防止や製品認証に用いられることが多いホログラムですが、平成26年の商標法改正では商標として対象に加えられました。

 

実際の出願については、音・動き・位置・色彩を含めた5つの新しいタイプの商標のうち最も出願数が少なく、5タイプ合計約1,000件の出願のうち、たったの11件しか出願がありませんでした。

願書には、見る角度によって変化する文字や図形の変化を詳しく説明することになり、例えば右から見ると『商標』、正面から見ると『しょうひょう』、左から見ると『TradeMark』と変化するのであれば、それぞれの状態の標章を①・②・③と変化が明らかになるように図や写真で説明します。

国内では東レとJCBのホログラム商標が代表的で、商標としての能力だけでなく、偽造防止や製品認証に高い効果を発揮することが期待されています。

 

ホログラム商標の採用に関して

5つの新しいタイプの商標のうち最も出願数が少なく、登録査定に至った件数も少ないホログラム商標ですが、採用に至るには一定のハードルがあるようです。

文字や図柄を主体とした商標であれば、デザイン料は別としても商標を付すこと自体は安価で行うことができますが、ホログラム商標の場合には、商標を付すことにも一定のコストがかかります。

また、ホログラム商標自体が、消費者に認識されるブランドとなり得るのか、という点も考える必要があります。

ホログラム商標の特性を考えると、現在では、真正品と、偽造品や精巧な模倣品の識別ポイントとしての利用価値が高いといえるのではないでしょうか。