商標

2017.08.03

国内と海外の商標を同時に取得したい方へ

海外における商標登録の重要性

みなさんは米国アップル社が中国における『iPad』の商標権で争い敗訴した事件をご存知でしょうか?

 

これは、アップル社の主力商品の一つであるiPadについて、

中国・台湾ではアップル社に先立って現地法人が商標権を取得しており、

商標権侵害でアップル社が訴えられてしまった事件です。

アップル社に先立ってiPadの商標権を取得していた法人は、実際にはiPadなる商品を販売していた事実はなく、

いわば「カラの商標登録」でした。

しかし、中国・台湾においては商品販売の事実は商標権の認定に影響しないためアップル社が敗訴し、

多額の賠償金を支払ったうえに商標権を買い取るという事態が起きてしまったのです。

アップル社のiPad商標権問題のように、海外法人が先立って商標権を取得してしまうと、

現地で商品販売を展開しようとした際に賠償金や商標権の買取りに

多額の損失を被ってしまうことになります。

そのため、海外への展開やコピー商品の防止を考慮する場合は、

国内における出願と同時に海外各国への出願をすることが望ましいと考えられます。

 

国内と海外で同時に商標権を取得するには?

国内における商標権は国内のみで効力を発揮し、海外には効力が及びません。

そこで海外各国に対しても商標の出願をすることになりますが、海外への出願には主に2つのルートがあります。

 

まず1つ目は「各国への直接出願」です。

出願したい各国の代理人に依頼して直接出願する方法で、出願国が少ない場合は低コストになる反面、

出願国が多くなると代理人費用が多額になりコストが高くなるというデメリットがあります。

 

2つ目は「国際登録出願の利用」です。

『マドリッドプロトコル』とも呼ばれ、日本の特許庁を窓口に98の加盟国に対して同時出願できる方法です。

国内での出願又は登録を根拠に申請一本で同時出願できますが、

国内での出願が拒絶又は登録が消滅した場合には各国での効力も失うというデメリットがあります。

なお、国内での出願の結果を早期に知るには、早期審査制度を利用するのが得策です。

 

上記いずれのルートでも「欧州連合商標の利用」ができます。

『EUTM』と呼ばれ、28のEU加盟国のいずれかで出願すれば加盟国全体に効力が及びます。

EU加盟国を範囲として出願する際には非常に有利ですが、

加盟国のうち1つでも登録できない国があると全体で拒絶されてしまいます。

出願したい対象国の範囲、出願や維持にかかる代理人や手続きのためのコストなどを総合的に考慮して

海外への出願を検討しましょう。

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2017.08.03

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