特許・実用新案

2017.08.01

発明特許出願の早期公開のメリット・デメリットについて

早期公開制度とは?

新たな特許を発明し、特許庁に特許取得を出願すると、まずは願書や明細書などの書類に不備がないかを審査する『方式審査』が行われます。

書類の不備がなく無事に方式審査を通過すると出願は問題なく受理されたことになりますが、原則的には出願の日から1年6ヶ月後に明細書などを含めて詳細な出願内容が公開特許公報に掲載されることで公開されます。

ただし、この「出願の日から1年6ヶ月後に」というのはあくまでも原則であり、出願人の申請によってこれを早めることができます。

これが特許の『早期公開制度』です。

早期公開を申請すると、出願と同時に申請すれば出願の日から概ね5ヶ月で、方式審査が完了して分類付与作業中であれば2ヶ月〜3ヶ月で出願内容が公開されます。

出願内容が公開されると、発明が特許権を取得するまでの間は「誰でも発明を自由に使用できる期間」となるため、早期公開のメリットとデメリットをふまえて早期公開の可否を検討する必要があります。

 

早期公開制度を利用するメリット・デメリットは?

早期公開制度利用の可否は、早期公開によって恩恵を受けるメリットと、早期公開によって被るデメリットを十二分に理解したうえで決定するべきです。

まず早期公開によって得られるメリットは『補償金請求権』の発生を早めることができるという点です。

補償金請求権とは、出願人が発明の使用者に対して「すでに特許を出願中である」と警告を与えておくことで、権利化後に、権利化以前の使用に対する実施料相当額を請求できる権利のことです。

 

一方、早期公開をおこなった上で申請した特許が拒絶された場合は、メリットとして挙げた補償金請求権が発生しないだけでなく、さらに公開された特許の詳細が第三者に早期に使用され得ることになるというデメリットを抱えています。

 

早期公開は、ひとたび請求すれば取り下げができません。

出願を放棄したり取り下げたりしても、たとえ拒絶査定が確定した場合でも、出願は公開されてしまいます。

 

できるだけ早くけん制をしたいという考え方に基づいた制度ではありますが、競合他社へのけん制には早期公開をせず「特許出願中」とだけアピールする戦略も有効です。

1年6ヶ月後の出願公開を待つか、早期公開制度を利用するかの選択は、競合他社の動きなどにアンテナを張り巡らせて判断するべきですね。

 

早期公開の判断は弁理士に相談を

早期公開制度には、補償金請求権の発生が早まるというメリットがあります。

 

ただし、早期に明細書が公開されることで早期のうちに第三者に使用されるリスクがあるほか、公開の請求は取り下げることができず、一度早期公開を請求すると必ず公開されてしまうなどのデメリットも抱えているため、ある意味では諸刃の剣の制度でもあります。

 

早期公開制度を利用するべきか、避けるべきかの判断は、知的財産のプロフェッショナルである弁理士にアドバイスを求めるのがベストです。

 

弁理士に相談すれば、早期公開を利用することが有効にはたらくのか、それとも早期公開によるリスクのほうが重大な状況なのかを正確に判断できるでしょう。

 

また、出願から登録までの手続きを一任していれば、早期公開の請求も弁理士に任せることができます。

 

手続き面の省力化も期待できるので、まずは信頼できる弁理士が所属している特許事務所を探して早期公開について相談すると良いでしょう。

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2017.08.01

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